2023.06.17 (土)   K2Couple No.0794 

ゼブラ山
ぜぶらやま(長野県)
1,776m
         ゼブラ山 1776 北の耳 1829
霧ヶ峰で紅い羊さんに逢いたい

コース最大標高差 :  185
コース累積標高差(+) :  335
コース累積標高差(-) :  335
コース沿面距離 :  8.7 km
行動時間 :  6'00"
* 沿面距離と累積標高差は GARMIN GPS data です  静かな北の耳で展望ランチ
  4:35 = 藤岡IC/上信越道・中部横断道/佐久南IC = 6:25 霧ヶ峰富士見台 6:35 = 6:50 八島湿原駐車場
 八島湿原p 7:20 ... 8:00 旧奥霧の小屋トイレ棟 ... 8:10 物見岩分岐 ... 9:00 ゼブラ山(男女倉山)9:10 ... 9:55 北の耳 【L】 10:30 ...
 11:00 ゼブラ山 11:10 ... 11:45 物見岩分岐 11:50 ... 12:00 トイレ棟 ... 八島湿原周回 ... 13:20 八島湿原p
 八島湿原駐車場 13:50 = 内山峠 = 下仁田IC/上信越道/藤岡IC = 16:25

  ゼブラ山
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)



 梅雨の中休みとでも言うのか、きょうは全国的に猛暑予報が出ていた。
 できるだけ標高の高い山に行きたいと思っていたら、はらっぱの提案は霧ヶ峰だった。
 八島湿原周回のついでに、未踏のゼブラ山(男女倉山
おめくらやま)をピストンすることに決める。
 駐車場の混み具合が心配だったので、早朝4時半のスタート。

 群馬県内は素晴らしい青空に恵まれたが、佐久平は深い霧に沈んで浅間連山の姿はなかった。

 藤岡ICでちょうど夜明けを迎える          ▲ 群馬県内は快晴だった 17℃
 浅間山は雲に沈みそうだ        ▲ 中部横断道から八ヶ岳が見えた 13℃
 白樺高原から蓼科山good 11℃        ▲ 車山高原ビーナスラインは空いている

 八島湿原に行く前に、いつものように富士見台に寄り道します。
 冬場の展望には及ばないものの、八ヶ岳、富士山、南、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アがハッキリ見えるピーカン。
 一通り山岳写真をカメラに収めて、八島湿原に急ぐ


 八ツと南アの間に富士山        ▲ 西側180゜の展望を全て記録
                          ▲ 何故か八ヶ岳は南半分しかなかったけど
                          ▲ 南アルプスの面々(眼下に広がる茅野市街地)
                               ▲ 中央アルプスも忘れずにね
 乗鞍岳
                               ▲ そして北アは槍穂高から常念まで
                    ▲ 富士山と南アを望みながら、レンゲツツジが満開のビーナスラインを行く

早出の甲斐あって、7時前の駐車場はまだ余裕だったが。
次々に車が入って来るので満車は時間の問題。

駐車場の真ん前に見えるのは、最近お気に入りの鷲ヶ峰です。
簡単に登れて展望も素晴らしいので、これからもごひいきに。

駐車スペースが確保できれば、あとはのんびり過ごす。
チップ制のトイレを済ませ、花の写真を撮ったりしてブラブラ (^^

 八島湿原駐車場 9℃
サラサドウダン ベニサラサドウダン レンゲツツジ ヤマツツジ
 お馴染み八島湿原入口     ▲ ルートをミスって几帳面にやり直す(戻って来た)
 紫と白のツメクサこらぼ             ▲ オオヤマフスマの団体
オオヤマフスマ アヤメ アマドコロ(花1コ) アマドコロ(花2コ)

二人とも何も考えずに、気付いたら鷲ヶ峰の道を歩いていた。
この先で合流するからいいようなもんだが、几帳面にスタート地点に戻る。
湿原に近い方が花が多いかもしれない、というそれだけの理由で。

確かに、八島ヶ池を見ながら歩く方が気分が良い。
車山など対岸の様子も見えるし、カモも泳いでたし (^^

 湿原が見えると少しは涼しげ           ▲ 木道の濡れたところは滑るよ


 見渡す限り雲ひとつなく、気分は良いが暑さが心配になる。
 早朝からこの陽射しでは、標高1640mと言えども冷房効果を期待するのは無理だろう
 涼しい内にハイペースで廻って来れば
... なんていうことは全くもって無理な話で。
 霧ヶ峰で涼しく過ごそうとした安易な考えは、企画倒れ必至の情勢だ。

 夢物語は速攻ボツと諦めて、汗をかかないようにチンタラ行こう。
 そうしよ そうしよ (^^


ニシキウツギ(蕾) カラマツソウ(蕾) ニッコウキスゲ ニガイチゴ
霧ヶ峰のカモ アカギキンポウゲ(ウマノアシガタ) アヤメ エンレイソウの花は終り
タカトウダイ タカトウダイ or シナノタイゲキ ズミ 昨年のオヤマボクチ
                         ▲ 蕾のレンゲツツジ越しに八島湿原と車山
 ゼブラ山と南の耳が見えてきた           ▲ 鎌ヶ池の新しいトイレ棟

湿原外周の味気ない木道を歩き、時々の日陰が嬉しい。
鎌ヶ池コーナー分岐の旧奥霧の小屋跡に、綺麗なトイレ棟が建っていた。
「山小舎の灯」 の歌詞が石碑に刻まれている所です。

スルーして湿原周回道を離れ、山側に行く。
ここまで人との出会いは殆どない。
鹿柵を開けてちょっと行けば、物見岩ルートを右に分ける分岐。
9年前に、TUWVの仲間と物見岩に行ったのを思い出す。
【REPO】

ゼブラ山ルートを登る人は少なく、登山道は観光地仕様ではない (^^;
ようやく山に来たということを実感する。

 鹿除けの柵を通過
 山らしい道を緩く登る        ▲ トドマツ系の木かなあ(maxズーム)
ニガナ 槍穂高が見えてきた ヤマガラシ マツの雄花

 緩い登りも徐々に急登ちっくになり、後方の山がせり上がってくる。
 山岳展望を楽しみながらの超ゆるペース。
 ウグイスやカッコウそしてハルゼミの声が絶え間なく、その中にいきなりキジの甲高い声が参戦する。
 長閑ですよ~。
 はらっぱは汗が目に入るというので、バンダナ休憩する。


 南アルプスを眺め         ▲ 御嶽山噴火災害から早くも9年
 乗鞍岳を眺め       ▲ この3月に登った鷲ヶ峰を眺め 【REPO】

若い単独さん♂に追い越されます。
早くも下って来る人とのスライドもあるが、静かな山は健在です。
この人たちも人混みを避けて、霧ヶ峰の端っこの山に来たのでしょうか。

いや~ 爽やかな風がたまらん。
霧ヶ峰のたおやかな風景が、心を開放するよね。
重い足を引きずっても、心は軽く何処かに果てしなく飛んで行きそう (^^
振り返ればアルプスの屏風、前方は気持ち良さそうな高原のうねり。

ゼブラ山頂からは、東の外輪稜線が超ダラダラな起伏を見せている。
あの北の耳まで行って来よう
 

 急登も一段落、山頂が近づいた
 鉢伏山の上に槍穂高              ▲ 信州三峰山
                              ▲ ゼブラ山直下から見ると、スイスイ歩けそうな霧ヶ峰外輪
                 ▲ 本名は男女倉山だが、冬のシュカブラがゼブラ模様になるのでゼブラ山
 誰もいないのでこっそり撮った       ▲ ではさようなら、また登り返して来るけど
 南アルプスの並びが面白い         ▲ ガレ場を慎重に下って北の耳へ
 いっぱい咲いてたシロスミレ       ▲ 北の耳まで100m足らずの登り返しです
アカギキンポウゲ シロスミレ マツの雌花 ネバリノギラン
オオヤマフスマ ミツバツチグリ お友達を探して仲良く サクラスミレ

きょうの高崎はmax34℃だったと、帰宅してから知った
涼しい風があるとは言え、ここも気温はともかく直射日光が強烈で
体感真夏日。

北の耳の斜面は、大笹峰側も南の耳側もレンゲツツジが点々と咲き。
高原を彩る 「紅い羊」 に見立てる比喩。
ただ遠くから見た時に、点々の紅が際立って見えないのが残念だ。
コンデジじゃ無理か

 ツツジがヒツジに見えるってか 言葉は似てるけど
                        ▲ ミレー作 「羊飼いの少女」 ちっくに uso
 大笹峰方面に蓼科山             ▲ 丁寧な分岐指標
 レンゲツツジ群落と乗鞍岳              ▲ 北の耳オーラス
中央分水嶺トレイル 南の耳は北の耳を越えて やっとやる気になったか 大笹峰を経由して姫木平
                          ▲ 北の耳直下まで来てからが、何だかんだ時間を要するK2C
                                     ▲ レンゲツツジ群落と御嶽山
                               ▲ で、じらしてじらしてようやく北の耳とうちゃこ
                ▲ 車山に続く解放感に飛び込みたい気がするけど、飛び込みたい気がするだけ


 10時前に北の耳とうちゃこ。
 時間は掛かったけど、好展望のへなちょこ歩きが楽しめた。
 この先も開放的で素晴らしいトレイルが伸びているが、調子に乗ると歩けなくなって遭難するかもしれない (^^;


北の耳に初めて来たときはトレラン騒動に巻き込まれ。
散々な目にあって、余裕も景色もなかった気がする。
【REPO】

きょうは訪れる人も少なく、今のところ山頂は貸し切りです。
登山道の真ん中でランチ休憩に突入した。
もちろん両側は通行可です
食事中に通過したのは二人きりだった。

石の上に陣取って、眼の前はアルプスの白い山並みで。
背中は、雄大至近な八ヶ岳連峰という贅沢です。
お弁当は、いつもと同じで贅沢ではなかった (^^;

 北の耳で展望ランチタイム
見えて嬉しい富士山 黒々と槍ヶ岳 丸い気象レーダードーム(車山) maxズームの物見岩
                    ▲ これ以上望むものはない状態の満足感で北の耳をあとにする
 羊飼いの少女が帰ります    ▲ ゼブラ山登山道はザレ場が多いので時間がかかる


 ゼブラ山のザレ場ガレ場を慎重にゆっくりゆっくり下り、鎌ヶ池のトイレ棟分岐まで下りたら大勢の人が休憩中で
 団体様のようだったが、トイレも並んでいる状態なのでスル~した。
 ここから八島湿原東岸の広い砂利道に入ったら、行き交う人の多さに降参しました。
 老若男女のハイカーが多く、組み合わせは様々。


 オオヤマフスマが微笑み掛ける         ▲ 沢沿いにサンリンソウを発見
ゼブラ山のビンズイさん タチイヌノフグリ ヤマハタザオ アカギキンポウゲ
イブキボウフウかな クサボケ なかなか逢えないサンリンソウ シロスミレ
 またまた鹿柵              ▲ グンナイフウロ

やがて砂利道の鹿柵を潜り、御射山方面へと相変わらずの暑い砂利道。
旧御射山遺跡をショートカットする道に直角曲がりすると。
観音沢沿いに、コバイケイソウが咲いていた。

沢に下りて火照った足を冷やしたかったが、人が多いので止めた。
両手を流れに晒し、腕の付け根まで冷やすのが精一杯の挑戦。
最近は品行が良くなった (^^

 樹林の中で休んでいる人もいた           ▲ こんなところにコバイケイソウ
グンナイフウロだらけ アギスミレ スズラン チゴユリ

 観音沢を渡ったあとは歩きやすいような疲れるような木道が敷設されて、気楽ではあったが暑さが厳しかった。
 何気に通行人が多くて、木道沿いの花を撮るにも姿勢が不安定でどうでも良くなってきた (^^;
 八島湿原の周回は、余り楽しくはなかったような。

 歩いて来た山を眺めて            ▲ 暑さに晒されて死にそう
         この霧は、露となり、或いは雨となって霧ヶ峰の大地に吸い込まれて行く
         そして、綺麗な泉となり、川となって諏訪の平へ流れ出す
         あなたも私も ・・・ その霧ヶ峰の水を飲んで生きて来た霧の子孫たち ・・・


「 霧の子孫たち 」
若い頃に愛読した新田次郎氏の本、その中でも異色の一冊だ。
実際にあった自然保護運動の記録的作品と言える。

ビーナスライン建設に一石を投じた、反対運動の史実に基づいている。
現在と違って、自然保護の啓蒙がなされてなかった昭和の頃の話である。

人は自然に触れる中で、意識的にあるいは無意識のうちに自然を傷付けることがあるので注意しなければならない。
自然保護が叫ばれる今の世でも、目に余る事例に遭遇することが多い。

 スタート地点に咲いていたハルジオン

暑さのせいもあるだろうが、きょうの歩きは疲れた。
体力相応をモットーとしている昨今の山遊び。
熱中症にならなくて良かった (^^

このままで車に乗り込む気がしなかったので。
八島山荘に入って、暑さ凌ぎにソフトクリームでクールダウンを図った。
口の中は涼しくなった (^^

 これなしで車に乗るのは無理        満車を超えてオーバーフローする駐車場